『Solar Hot Line-地球さんのお悩み』 益子ふみえ

'11 カルチャー部門 エコミュージック 準グランプリ受賞

【概要】

なかなか会う機会のない火星と地球が久しぶりに接近した際に会話を交わし、人類という店子の『大きな大家さん』である地球が愚痴をこぼすという設定で、地球の住人である私たち人類も地球の無償の恩恵を受けている動物のひとつだということを再確認しようというメッセージを込めた曲。『個人の生活』という感覚・観点から、人類全体『生物の生涯』という価値観へ視野が広がるような展開を心がけた。

【受賞コメント】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

「マイスペース」というSNSに登録していて、そこに、ある音楽コンテストのお知らせが来たので、そちらをまず作ってみようと思ったんですが、そこからいろいろ調べていくうちにこのeco japan cupがあるのに気がつきました。締切がもう間近だったし、賞金もすごかったので、これは大変だ!とがんばって応募しました。

受賞されたご感想をお聞かせください。

わりと発想一発で作ってしまった曲で、ちょっと変わった感じの曲でもあるので、それを評価していただいてうれしいし、びっくりもしています。

ただ受賞してしまうと、なぜ準グランプリだったんだろう、と考え始めてしまい、最初は絶対小川千春さんがグランプリだと思っていたので、小川さんにあって私にないものは何だろうと考えていたんですが、彼も同じ準グランプリだったとわかったら、今度は去年やおととしのグランプリにあって、私にないものはなんだろう、と考え始めてしまいました。結論が出たので、今は納得しているんですが。(笑)

エコミュージックの可能性は、どういうところにあるとお考えですか?

エコミュージックって、ひとつはキャンペーンに向かっていく方向と、もうひとつは、題材はエコだけど基本的に芸術性や表現に重きをおいたものがあると思います。どちらにするかは送り手の選択だと思うのですが、今はもう、両方の境目はなくなっているような気がします。

私は恋愛の歌はさほど作らないので、もっと大きなもの相手というか、その大きなものと自分の関係とか人の関係とかに、詩とか題材が向いてしまうのですが、もうミュージシャンの中で、エコだとか地球に対する思いだとか、自然の中の人間とかいったものは、普通にテーマになりつつあるのではないかなと思います。

今後の創作活動やこれからの夢について、お聞かせください。

受賞を踏まえてとか、受賞したから何かを期待するということはなく、今までどおりに、地道に作りたいものを作っていこうと思っています。ただ、とっても励みになりました。子育てを10年ぐらいしていて曲作りから離れていたのですが、少し落ち着いたのでまた始めてみようと思ったところの腕試しだったので、評価していただいて、勢いをいただけたと思います。せっかくのこのチャンスに昔からの音楽仲間3人でやれたので、そのうちライブもやりたいなと思っています。最終審査で公開プレゼンテーションがあったので、演奏パフォーマンスが3人でできたのはとても良い機会になりました。

また、「やりたい音楽が楽しく出来る」というのも夢ですね。言葉でいうより本当に難しいのですが、やりたい音楽を楽しくやって、聞いている人も楽しいと思ってくれたら、もうその瞬間に、夢がほとんどかなっています。

(2012年2月13日インタビュー)